「借金返済・借金問題」南証券の破たんで投資者保護基金は顧客の損失を補てんすべきか?

それ自体
不合理
もの

主文

1原告らの請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告らの負担とする。

事実及び理由

第1請求

被告は,別紙請求債権目録の原告欄記載の各原告に対し,同目録の各原告に対応する請求金額欄記載の金員及び同遅延損害金欄記載の金員を支払え。

第2事案の概要

本件は,原告らないしその被相続人らが,南証券株式会社(以下「南証券」という。)に対して「ミナミ・ハイイールドボンド」と称する社債(以下「本件社債」という。)の購入を申し込み,南証券にその代金を預託したが,その後,被告により,南証券について証券取引法(以下「法」という。)79条の55第1項の顧客資産返還困難の認定,公告が行われたことから,そのような場合に証券会社の一般顧客に対して一定の補償対象債権に係る支払をすることを業務としている被告に対し,原告らが,前記預託金は,法79条の56第1項により保護されるべき顧客資産であり,同項に基づき,南証券に預託した預託金相当額の補償金が支払われるべきであると主張して,当該補償金の支払及びこれに対する平成12年11月13日(被告の原告らに対する補償金支払拒絶通知の発送日)から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
1前提となる事実(争いのない事実以外は証拠を併記)
(1)当事者
ア原告ら(ただし,原告A,同B,同C,同D及び同Eを除く。),F及びG(以下「本件社債購入者ら」という。)は,南証券において販売された本件社債を購入した者である。
原告AはFの妻であり,原告B,同C及び同DはFの子であり,平成13年9月26日Fが死亡したことにより,原告Aは2分の1の割合で,原告B,同C,同Dは,各6分の1の割合で,Fの被告に対する債権をそれぞれ相続した(甲6の1ないし4)。
また,原告Eは,Gの妻であり,平成12年2月8日Gが死亡したことにより,Gの被告に対する債権を相続した(甲24,25)。
イ法第4章の2は,投資者保護基金(以下「基金」という。)の設立,業務等について定めており,被告は,これに基づいて設立された,基金たる法人である。
基金は,法79条の56の規定による一般顧客に対する支払その他の業務を行うことにより投資者の保護を図り,もって証券取引に対する信頼性を維持することを目的とする(法79条の21)。
ウ南証券は,本件社債の販売を行った証券会社で,被告に会員として加入し,被告により,法79条の55第1項の認定が行われ,かつ,平成12年3月21日,同項の公告も行われた認定証券会社である。
(2)基金により保護される資産
法79条の56第1項により,基金は,会員たる認定証券会社の一般顧客(証券会社の本店その他の国内の営業所の顧客であって当該証券会社と証券業又は証券業に付随する業務に係る取引をする者(適格機関投資家及び国,地方公共団体その他の政令で定める者を除く。)をいう。
法79条の20第1項)の請求に基づき,法79条の55第1項により公告した日(以下「認定公告日」という。)において現に当該一般顧客が当該認定証券会社に対して有する債権(当該一般顧客の顧客資産に係るものに限る。)であって基金が政令で定めるところにより当該認定証券会社による円滑な弁済が困難であると認めるもの(補償対象債権)につき,内閣府令・財務省令で定めるところにより算出した金額を支払うものとされている。
そして,「顧客資産」とは,以下の1ないし4をいう(法79条の20第3項)。
1証券先物取引等及び信用取引等について証券会社が一般顧客から預託を受けた金銭及び有価証券(同項1号)
2証券業に係る取引(有価証券店頭デリバティブ取引等を除く。
3において同じ。)に関し,一般顧客の計算に属する金銭又は証券会社が一般顧客から預託を受けた金銭(1に掲げる金銭を除く。)(同項2号)
3証券業に係る取引に関し,一般顧客の計算に属する有価証券又は証券会社が一般顧客から預託を受けた有価証券(証券会社が保護預りをするために一般顧客から預託を受けた有価証券を含み,1に掲げる有価証券,契約により証券会社が消費できる有価証券その他政令で定める有価証券を除く。)(同項3号)
41ないし3に掲げるもののほか,政令で定めるもの(同項4号)
(3)南証券による本件社債の販売及び本件社債購入者らによる本件社債の購入ア南証券は,平成11年11月23日より,本件社債の販売広告を行い,販売を開始した。
本件社債は,南土地建物株式会社,ミナミ・アセット・マネジメント株式会社及び南インベストメント株式会社の各社を発行会社とする社債であり,その払込期日は平成11年12月31日とされていた(甲5,乙1,2,乙3の1ないし3,乙5の1ないし3の各1及び2)。
イ本件社債購入者らは,平成11年11月23日から同年12月31日までの間に,南証券に対し,本件社債の購入を申込み,Fは500万円,Gは2000万円,その余の本件社債購入者らは各請求金額と同額の金員を支払った(甲13の1ないし23(13の22について枝番を含む。),甲14の1ないし17(14の15について枝番を含む。),甲15の1ないし35,甲16の1ないし36(16の35について枝番を含む。))。
ウ平成12年1月下旬ころ,本件社債購入者らに対して,発行会社名義の「預り証」が交付された(甲16の1ないし36(16の35について枝番を含む。),乙6の1ないし3)。
(4)南証券についての法79条の55第1項の認定,公告までの経緯ア金融監督庁は,平成11年12月14日,南証券に対し,本件社債は私募債と称して勧誘されているが,公募に該当し,法4条に違反することを理由に勧誘行為の禁止命令を出した。
イ関東財務局は,平成12年2月21日,南証券の検査に着手し,南証券が上記命令に違反して,その後も本件社債の販売を行っていたことから,同月28日,南証券に対し同社札幌支店の営業の全部停止3か月及び全店における本件社債の販売停止3か月の行政命令を出した。
ウ金融監督庁は,同年3月6日,金融機関等の更生手続の特例等に関する法律に基づき,東京地方裁判所に南証券の破産の申立てを行い,関東財務局は,同日,同社に対し,分別管理違反等を理由に同社の全店の業務停止6か月の処分を行った。
エ関東財務局は,同月14日,警視庁に対し,南証券を告発する告発状を提出した。
オ証券取引等監視委員会は,同月15日,本件社債の募集について有価証券の募集のための偽計を用いる行為に該当するとして行政処分を求める勧告を出した。
カ金融監督庁から南証券の破産申立てを行った旨の通知を受けた被告は,同月16日,南証券について,法79条の54に基づき,顧客資産の返還に係る債務の円滑な履行が困難であるとの認定(法79条の55第1項)を行った(弁論の全趣旨)。
キ東京地方裁判所は,同月21日,南証券に対し,破産を宣告した(弁論の全趣旨)。
ク被告は,同日,南証券につき,法79条の55第1項に基づく公告を行った。
(5)被告から原告らへの通知
被告は,平成12年11月13日,理事会で本件社債の購入者を保護しないことを決議し,原告らに対し,下記1ないし3の理由で原告らの債権は補償対象債権にならない旨の通知を発送した。
1法令上,基金の補償対象債権は,認定公告日(南証券の場合は平成12年3月21日)において,一般顧客が証券会社に対して有する債権(法79条の20第3項に規定する顧客資産に係るものに限る。)とされていること。
2本件社債購入者らから南証券に振り込まれた本件社債の買付け代金は,契約上,払込期日の平成11年12月31日をもって,本件社債各発行会社の計算に属する金銭になっており,顧客に対して,本件社債又は本件社債各発行会社の発行した預り証が交付されていること。
3以上のとおり,南証券では,本件社債について,顧客からの社債券や金銭の預りはなく,南証券に対する補償対象債権は存在しないこと。
2争点
1法79条の56第1項所定の「請求」の存否
2原告らの南証券に対する補償対象債権の存否
3争点に関する当事者の主張
(1)争点1(法79条の56第1項所定の「請求」の存否)について(原告ら)
原告E及びGを除く本件社債購入者らは,平成12年4月ころから,法79条の55第1項により公告された届出期間内に,各々,被告に対し,補償金を支払うよう請求した。
(被告)
原告E及びGを除く本件社債購入者らが,平成12年4月ころから,法79条の55第1項により公告された届出期間内に,各々,被告に対し,補償金の支払を請求したことは否認する。
なお,被告は,原告らの一部から,本件社債の購入者が補償を受けられるか否かについて問い合わせを受けたことはある。
(2)争点2(原告らの南証券に対する補償対象債権の存否)について(原告ら)
本件社債購入者らが南証券に預けた金銭は,認定公告日現在においても,南証券が原告らから「預託を受けた金銭」であるから,法79条の56第1項,79条の20第3項2号により保護されるべき「顧客資産」であり,原告らは,南証券に対する補償対象債権を有する。
すなわち,南証券から本件社債各発行会社への金銭の移動はなく,本件社債購入者らの預託した金銭は,認定公告日において,現に南証券に存在していた。
また,南証券と本件社債各発行会社との間の社債募集取扱契約は実体がなく不成立,無効であり,払込期日の約定も無効であるから,計算上も払込期日の経過により本件社債各発行会社に金銭が属することはない。
加えて,本件社債の預り証や社債権は南証券が本件社債各発行会社の関与なしに発行したものであるから,これらの発行により本件社債各発行会社に金銭が属するものでもない。
さらに,仮に,上記社債募集取扱契約が有効であるとしても,1南土地建物を除く本件社債各発行会社は実態のないペーパーカンパニーであったこと,南土地建物と南アセットマネジメントの代表者はいずれも Hであったこと,両社の従業員は南証券の従業員であったこと,両社と南証券の事務所は同じ建物内の同じフロアにあり,出入口は異なるものの,内部においては相互に行き来できる構造になっていたこと,本件社債各発行会社名義の預り証の発行作業はすべて南証券の従業員が行っていたことからすれば,本件社債各発行会社の法人格は否認され,南証券と経済的,実質的に同一の法人格というべきであり,また,2同契約は,南証券によって解約され,発行会社は異議なく解約を承認しているから,南証券に預託した金銭が払込期日の経過をもって本件社債各発行会社の計算に属する金銭となることはない。
被告は,原告らが南証券に対して有する債権は,不法行為債権であるから補償対象債権に該当しない旨主張するが,仮に原告らが南証券に対して有する債権が不法行為に基づく損害賠償請求権であるとしても,補償対象債権に該当する。
すなわち,法文上,不法行為債権に該当すれば,補償対象債権にあたらないという制限はどこにもないばかりか,本件の原告らの南証券に対する不法行為債権は,顧客から預託を受けた金銭に関連して発生した債権であるから,本件では「顧客から預託を受けた金銭」(法79条の20第3項2号)に係る債権と同視できる。
仮にそうでないとしても,「一般顧客の計算に属する金銭」(同項2号)に係る債権に該当する。
基金の制度趣旨は,一般投資家が証券会社の破綻によって被る財産的損害を補償して投資家の不安を除去し,証券市場の安定を図ることにある。
しかるに,本件のように,歴史ある登録された証券会社で普通の取引として社債を購入した過失のない一般顧客が,被告によって保護されないとなると,普通の社債さえ発行会社の内部事情をつぶさに調べなければ安心して購入できないこととなるばかりか,過失のない善意の投資者を保護し,投資市場の信用を守るという基金の制度趣旨を根底から覆すこととなるから,何ら落ち度のない原告らの預託金は被告によって補償されなければならない。
(被告)
本件社債は商法上の社債であるから,商法の規定に従い,社債発行会社は,社債の募集が完了したときには,応募者に払込期日までに払込金額を払い込ませなければならず,その後に社債を発行することとされている。
したがって,発行会社から事務取扱いの委託を受けている証券会社は,応募者から払込金を受領しているときには,これを払込期日に発行会社に引き渡さなければならない。
そうであるとすると,本件で本件社債購入者らから払い込まれた金銭は,払込期日をもって本件社債各発行会社の計算に属する金銭となっており,本件社債購入者らから払い込まれた金銭が「預り金」として南証券に存在していたとは評価できない。
そして,その後の社債券の交付や社債契約に基づく義務の履行などの問題は本件社債各発行会社と本件社債購入者らとの問題となる。
なお,平成12年1月下旬ころから,一部顧客に対し,本件社債各発行会社から預り証や社債券が発行されている。
このことからも,払い込まれた金銭は本件社債各発行会社の計算に属する金銭になっているといえる。
また,南証券の勧誘方法等に問題があったとしても,南証券に対する損害賠償請求の問題である。
よって,南証券についての認定公告日である平成12年3月21日現在,原告らが,南証券に対して,法79条の56に定める顧客資産の返還に係る債権(補償対象債権)を有していないことは明らかである。
なお,基金は,破綻証券会社に対して「顧客資産」の返還に係る債権(補償対象債権)を有する一般顧客に,その返還を円滑に行うことを目的とする法人であり,証券取引を行うに際して,一般顧客が損失・損害を被ったために証券会社に対して債権を有する場合の一般顧客の被った損失・損害のすべてを補償するものではない。
本件は,南証券及び本件社債各発行会社の関係者らが,実体のないペーパーカンパニーを利用して,本件社債の払込金名下に,本件社債購入者らから金員を詐取した事案であるが,このような場合を含め,基金が前記の目的を超えて,投資リスクや証券会社に対する損害賠償請求権等のすべてを補償することはあり得ない。

第3当裁判所の判断

1争点1(法79条の56第1項所定の「請求」の存否)について
原告らは,本件訴訟において,被告に対し,法79条の56第1項に基づく支払を求めている。
ところで,同項の支払は,同項の認定証券会社の一般顧客から,法79条の55第1項により公告された届出期間内に請求がなされたことを前提としている。
しかし,本件の全証拠によっても,原告らがこの届出期間内に請求をしたと認めるに足りない。
よって,その余の点について判断するまでもなく,原告らの請求は理由がない。
2争点2(原告らの南証券に対する補償対象債権の存否)について
仮に,原告らが法79条の56第1項に基づく請求をしたと認められるとしても,以下の理由で,原告らの南証券に対する補償対象債権は存在せず,いずれにせよ,原告らの請求は理由がない。
(1)本件社債に関する取引は「証券業に係る取引」であるとの前提,すなわち,不法行為によるものではなく,適法な取引であるとの前提をとる場合には,本件社債購入者らから本件社債の代金として南証券に払い込まれた金銭は,商法303条の趣旨に照らし,払込期日である平成11年12月31日をもって,本件社債購入者らから本件社債各発行会社に払い込まれたものと評価すべきであって,それ以後は,本件社債購入者らは,本件社債各発行会社に対して,社債権上の権利を行使し得るにすぎず,本件社債募集取扱会社である南証券に対して払い込んだ金銭の返還を求める地位にない(すなわち,払い込んだ金銭は原告らから南証券に対する「預託金」としての性質を失う。)ものと解される。
したがって,認定公告日である平成12年3月21日において,原告ら又は本件社債購入者らが,南証券に対して法79条の20第3項の「顧客資産」に係る債権,ひいては法79条の56第1項の「補償対象債権」を有していると認めることはできない。
(2)ア原告らは,南証券から本件社債各発行会社への金銭の移動はなかった旨主張するが,仮に払込期日において,南証券から本件社債各発行会社への金銭の移動がなかったとしても,そのことは,南証券と本件社債各発行会社との間で,社債募集取扱契約上の債務不履行の問題が生じ得るに留まり,平成11年12月31日に本件社債購入者らから本件社債各発行会社に金銭が払い込まれたものと評価する前判示に影響を与えるものではないので,原告らの上記主張は理由がない。
イ原告らは,南証券と本件社債各発行会社との間の社債募集取扱契約は実体がなく不成立,無効であり,払込期日の約定も無効であると主張するが,本件社債がそのような実体のない不成立ないし無効な契約により募集されたものであるとすれば,そもそも,本件社債購入者らが払い込んだ金銭は,「証券業に係る取引」(法79条の20第3項2号)に関する金銭(顧客資産)に該当せず,原告らが補償対象債権を有しているとは認められないから,原告らの上記主張も理由がない。
ウ原告らは,南証券と本件社債各発行会社は法人格が同一であるから,南証券に預託した金銭が払込期日の経過をもって本件社債各発行会社の計算に属する金銭となることはない旨主張するが,仮に南証券と本件社債各発行会社が本件社債の発行に関する法律関係において法人格が同一と評価されたとしても,原告らは,南証券に対して社債権上の権利を主張し得るにすぎず,南証券に対して,法79条の20第3項の「顧客資産」に係る債権を有するものではないから,原告らの上記主張も理由がない。
エ原告らは,南証券と本件社債各発行会社との間の社債募集取扱契約は,当時の南証券の社長であるIが,平成11年12月13日,預り金の返還を決断し,社債発行手続を中止したことによって解約され,発行会社は異議なく解約を承認しているから,南証券に預託した金銭が払込期日の経過をもって本件社債各発行会社の計算に属する金銭となることはない旨主張するが,南証券の社長が預り金の返還を決断したというだけで,社債募集取扱契約が解約されたと認めることはできず,また,社債発行手続を中止したとの点も,平成11年12月13日以降も社債購入申込みをしている者が存在する(甲13の1,16及び23)ことに照らすと,社債発行手続を中止したとは認められず,他に,社債募集取扱契約が解約されたと認めるに足りる証拠もないから,原告らの主張は採用することができない。
オ原告らは,本件の原告らの南証券に対する不法行為に基づく損害賠償請求権は,顧客から預託を受けた金銭に関連して発生した債権であるから,「顧客から預託を受けた金銭」(法79条の20第3項2号)に係る債権と同視できる旨主張するが,預託を受けた金銭に係る債権と,預託に仮託して生じた不法行為に基づく損害賠償債権とが全く性質を異にするものであることは明らかであり,このような「顧客から預託を受けた金銭」(法79条の20第3項2号)に関する原告らの解釈は独自の解釈であって採用することができないから,原告らの上記主張も理由がない。
また,上記請求権が「一般顧客の計算に属する金銭」(同項2号)に係る債権に該当しないことも明らかである。
カ原告らは,原告らのような一般顧客が基金によって保護されないとすると,過失のない善意の投資者を保護し,投資市場の信用を守るという基金の制度趣旨を根底から覆すこととなる旨主張する。
しかし,法79条の56第1項による基金の一般顧客に対する支払は,一般顧客が認定証券会社に対して「顧客資産」に係る債権を有する場合に,投資者の保護を図り,もって証券取引に対する信頼性を維持することを目的として行われる(法79条の56第1項,79条の21参照)ものであって,それ以外の場合,すなわち,株式,社債の発行会社が破綻した場合の株主,社債権者の保護や,証券会社の代表者らが詐欺を行って顧客に証券会社への入金を行わせたことにより証券会社に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を有する場合の顧客の保護のように「顧客資産」に係る債権を有していると認められるかどうかにかかわらず広く一般顧客を保護することまで目的とするものとは解し難い。
したがって,前記(1)のとおり南証券に対する顧客資産に係る債権を有しているとは認められない原告らが,基金によって保護されないとしても,基金の制度趣旨に反するということはできないから,原告らの上記主張も理由がない。

第4 結論

よって,原告らの請求は失当であるから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。

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